【BTS】性別不詳のソロアイドル (ページ27)

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in 舞台裏

相変わらずBTSさん達は早めに来ていた。これが優等生グループ…。

『あ、MWさん！』

かなり距離があるはずなのに私に気付くジョングクさん。動物か？

『皆さん早いですね。自分が遅いのかな。』
『控え室に居ても落ち着かないから、こうやって他の出演者さんのステージを見て勉強してるんだ。盗めるところは盗まなきゃ。』
『はは、参考にします。』

ナムジュンさんと談笑していると、スタッフさんが私の方に駆け寄ってくる。

「いたいた！そろそろトーク入ります！準備出来てますか？」
「心以外はバッチリです。」
「あはは、またまた！んじゃ、司会者さん達のとこ行ってもらっていいですか？」
「了解です、ありがとうございます。」

そしてスタッフさんはまた忙しそうにどこかへ行ってしまった。人不足か？

『そろそろトークだそうなので、行ってきますね。また後ほど。』
『頑張れ！MWさんのステージ楽しみにしてる！』
『そういう事言うから緊張する…でも、ありがとうございます。頑張りますね。』

みなさんに会釈すると手を振って返してくれたので、私も小さく手を振る。
正直、歌よりトークの方が緊張するなぁ。

…………
……
…

「次の方は、独特なメロディーと不思議な世界観の歌詞で、今最も注目を浴びている中性アイドル！MWさんでーす！」
「こんにちはMWでーす、お呼びして頂けて光栄です。」
「間近で見てもほんまに性別分からんなぁ〜！」
「まあ、それが売りですから。性別MWで売ってます。」
「あっ、新しい性別作ってまうんや？！」

会場に笑い声が響く。流石ベテラン司会者さん、持ち込みが上手い。

「さて、今回はMWさん2作目の自作曲「Noise」を披露していただきますが、意気込みの程は？」
「あー、転ばないように気を付けます。結構振りが難しいので。」
「歌だけでなく、ダンスにも注目ですね！TVの前の皆さん、MWさんが転ばないよう見守っててくださいね！」
「転んでも暖かい目で見てくださいね〜。」
「それじゃあ、スタンバイお願いします！」

とりあえずトークは抜けたけど、あんな頭ゆるふわな回答で良かったんだろうか。いやまあ、なるようになるか。

ステージへ向かい、イントロが流れるまで定位置に座り込む。
客席に目線を移すと、MWのイメージカラーでもある白のペンライトがいくつか見えた。

…ファンを喜ばせるためにも、いつだって全力でやるんだ。
ゆっくり深呼吸して、スイッチを入れる。

さぁ、MWのステージを目に焼き付けろ。