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時は過ぎて1週間後。
再び歌番組の生放送に出演することになったのだが、ここのところ忙しすぎてまともに出演者などの確認が出来ていなかった。
「マネージャー、明日の出演者さんの確認したいんですが。」
「忙しくて見れてなかったもんね、はいこれ。」
「うん、ありがとう。…ございます。」
「たまに抜けるわね。」
今度は誰の前座だろう。そういえばちょっと見たけどBTSさんも出るってあったな。
また会う事があればご挨拶しよ…
「いやまた前後かい」
「MW、一応他のスタッフさんも居るから、口調。」
「あっすみません。」
演出は違えどまた同じ曲で同じ順番…もはや運命では？
いや、辞めよう。刺される。
貰った冊子をペラペラ捲る。そういえば今回のはトークも多めなんだっけ。歌謡祭の時より出演者が少ないわけだ。
BTSさんとは……ギリギリ被らない。良し。ごめんジミンさん。
「ちなみに生放送で愛嬌して欲しいって。」
「地獄ですか…？」
…………
……
…
翌日。
「！むぅさん！おひさしぶりだねぇ！」
「！ジョングクさん。日本語上達しましたね。」
「じょたつ？」
「上手に、なりました。」
「あぁー！じょーじゅ！」
彼はウンウンと頷く。
今度はトイレの帰りにジョングクさんに出会った。もはやトイレは乙女ゲーの隠しコマンド的ポジションなのだろうか。
『お久しぶりです。お元気そうでなにより。』
『MWさんこそ！お会いできて嬉しいです。』
無邪気な笑顔でそう言ってくれるジョングクさん。彼は1度しか会っていないのに中々私のことを好いてくれている。不思議な人だ。
『メンバーの皆さんもお元気ですか？』
『はい、テヒョンイヒョンとジミニヒョンが特に元気です。MWさんに会える〜！って。…もちろん僕も。』
そう言って彼は照れたように頬をかく。私の何をそんなに気に入ってくれたのか分からないけど、とりあえず『私も楽しみにしてました』とだけ返した。
『出番まで時間ありますし、うちの控え室に来ませんか？』
『えっ……い、いや、恐れ多いです。自分なんかが…』
『そんな、MWさんならみんな大歓迎ですよ。』
『いやでも…ほら、マネージャーにも許可取らなきゃですし。それに行っても緊張で何も話せな…』
『じゃあマネージャーさんのところ行きましょう！』
『えぇっ？！ちょ、待って…！！』
グイグイと手を引いて長い足でスタコラ歩いていくジョングクさん。小走りで追いつくのがやっとだ。
助けてヤヨイ姉ちゃん〜〜！！！
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作者名：りいた | 作成日時：2021年9月15日 12時
