ハンター試験 ページ22
明け方__
キルアは窓から差し込む日の光に目を細めた。隣ではAがスヤスヤと眠っている。
起こさないように動こうとすると、Aに服を掴まれていることに気付いた。……仕方ない起きるまで待つか。
しかし、しばらく経っても全く起きる気配を見せないA。なんとなく頬を摘まんでみる。
『……ぅ、んー……』
身をよじるA。キルアはAのフードに手をかけるがAの両の目がゆっくりと開く。キルアは慌てて自身の手を隠した。
『……おはよぉ、きるあ』
「っな、何でもねぇからな!」
『?』
Aは不思議そうに、首を傾げた
.
「皆様大変お待たせいたしました。目的地に到着です」
アナウンスが流れ、受験生達はぞろぞろと飛行船を降りていく。Aとキルアはゴン、クラピカ、レオリオの三人と合流した。
360度隔てるものがない塔の頂上。第三次試験スタート地点は、トリックタワーと呼ばれる塔のてっぺんだった。
「さて試験内容ですが、試験官の伝言です。"生きて下まで降りてくること。制限時間は72時間"」
伝え終わると、飛行船は受験生を残して塔から離れていった。
第三次試験
参加人数42名
塔は目立った凹凸のない細長い円柱。
受験生の一人が「このくらいのとっかかりがあれば一流のロッククライマーなら難なくクリア出来るぜ」と言って先陣を切って壁を降り始めたが、怪鳥がバッサバサと羽音を立てて飛んできて、クライマーを咥えて去っていってしまった。
一部始終を見ていたゴン達五人。壁をつたって降りるのは無理だね__と、Aが一言で片付けた。
『きっと下に繋がる隠し扉があるんじゃないかな。トリックタワーっていうくらいだし』
その言葉をきっかけに、手分けして塔への入り口を探し始めた。
「キルア、A、こっち来て!」
試験開始から三十分経過し、上に残る人数が半数となっていた頃。隠し扉を見つけたゴンがキルアとAを手招きした。
『今行くー
ガコンッ__
ぅわっ!』
ゴンの元へ行こうとした時、Aは偶然にも足元にあった隠し扉を踏み抜いてしまったのだ。
隣にいたキルアが手を伸ばした。が、Aの体は暗闇に吸い込まれるように落ちてしまった。
「A!
ガコンッ__
は?」
『キルア!A!』
扉が閉まる寸前、ゴンが名前を呼ぶ声が聞こえた。
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作者名:あんみつ | 作成日時:2022年7月18日 17時