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ハンター試験 ページ19

A達受験生は、三次試験会場に向かう飛行船に乗っていた。到着予定時刻は翌朝八時、それまで自由時間だと告げられた。


「ゴン!!A!! 飛行船の中探検しようぜ」


解散の号令の後、キルアが言った。その提案にAも頷いて、キルアを追いかけた。





「うわ、すげー!見ろよ!」


一通り探索を終えて廊下を歩いていると、キルアが窓から見える景色に目を向けた。


『綺麗……』


街の灯りがキラキラと宝石のように輝いている。こんな風に夜景を眺めるのはAにとって初めてだった。


「キルアのさァ……」
「んー?」
「キルアの父さんと母さんは?」
「んーー?生きてるよー、多分」

意味深な答え方をするキルア。

「何してる人なの?」
「殺人鬼」


キルアはいつもと変わらないトーンで告げた。怖がるか冗談ととるか、キルアが今まで出会った人間の反応はどちらかだった。


「両方とも?」


ゴンの反応はそのどれとも違った。良い意味で予想を裏切られたキルア。一瞬目を見開くと、腹を抱えて笑い出した。ようやく笑いが収まると、彼は吹っ切れたように身の上話を始めた。


「オレん家暗殺稼業なんだよね、家族ぜーんぶ。そん中でもオレすげー期待されてるらしくてさー。でもさ、オレやなんだよね、人にレールしかれる人生ってやつ?」


キルアは母親と兄貴を刺して家出中だと話を続ける。キルアの兄弟、か……


「Aは?」
『キルアと同じ…』


つい言ってしまった、Aは急いで手で口を抑えた


『あ、えぇっと!もうこんな時間だ!私そろそろ寝ようかな。二人も早く寝ないと、背伸びないよ』
「いや、お前の方がチビだろ……」
「おやすみ、A」


ゴンやキルアと一緒にいるのは楽しい。けど、いつか真実を話さないとダメだよね__



.



ゴンとキルアと別れたA。向かいから白髭の爺_ネテロが歩いてくるのが見えた。


「おや? お前さん、連れの坊主らはどうしたんじゃ?」
『ゴンとキルアなら、あっちにいますよ』

Aは来た道を指差した。

「いやぁ、退屈なんでお主らと遊ぼうと思ってのぉ。お前さんもどうじゃ?」
『楽しそうですが……私は遠慮しておきます』


私は二人の邪魔になりそうなので__Aは小さく独りごちた。

ネテロはその声が聞こえたのか聞こえてないのか曖昧な返事をすると、Aの横を通り過ぎていった。

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作者名:あんみつ | 作成日時:2022年7月18日 17時

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