先輩後輩【オリジナル】

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当たり前だけれど、燈さんは2年生で、私は1年生だ。

そしてもう、燈さんたちの代になっている。

私が部活であなたの後輩でいられる時間は、

もう1年すらもない。


私が今、持っているつながりは、

今一緒にいられる原因は、

あなたが部活をやめれば全部消える。


…来年の今頃には、私はひとりだ。

…来年の8月になってしまえば。

もうあなたは引退してしまう。

一緒にいることだって当然できなくなる。

そしてその春には、この中学から卒業する。


きっとその頃のあなたは、

私のことなんて忘れて、笑顔でいるんだろう。

未来に希望を持って。


そんなあなたを、

たまたま2人組が一緒だっただけの私が、

引き止めたりする事なんてできない。

…してはいけない。

その時の私はあなたにとっての過去でしかない。

そんな私のわがままがあなたの未来の邪魔になる。




｢あーあ｣




なんでこんなこと考え始めちゃったかな。

考えなきゃ良かった。

考えただけで辛くなる。

辛くなる自分が嫌になる。

追いかけてしまいたいと思う。

縋ってしまいたいと思う。

別れてしまうなら、

それまでの時間を大事にしようなんて、

そんな風に考えることなんてできない。

そこまで強くなんかなれない。

吹っ切れることなんてできない。



｢…情けないなあ、私は｣


口から言葉が零れた。

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