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「かーみーちゃーん」
自分たちの冠番組の撮影前、背中に重みを感じる。
可愛い最年少、のんちゃんだ。
「ん?のんちゃん、どうしたん」
「うーん…神ちゃん最近寝れてるん?結構クマあるで!」
実際、寝れていないのは確か。
Twitterを見たあの日から、熟睡ができず、少し眠っても起きてしまう。
まさかバレるとは思っていなかったが、よく周りを見ているのんちゃんにはバレてしまった。
「あー、最近おもろいゲームあってさ、ちょっと夜更かし気味やねん」
わざわざ言う必要も無いだろう。
だって、自分とメンバーを勝手に比較して、勝手に傷ついて。
そんなことしてる暇があったら差を埋めるべく何か頑張るべきやん、情けない。
そんなとこ、メンバーに見せられるわけがない。
「もーまた?!ゲーム好きなんはわかるけど、程々に!やで?!」
少しムッとしながらも、そう言って自分の荷物のそばに戻って行った。
「え、神ちゃんまたゲーム?もー…体壊すでぇ?」
「程々!それが一番やで?」
「おん、わかった」
ほんとは、最近ゲームなんてろくに触っていない。
おれって、ここまで心弱くなかったはずなんやけどな
あんなコメント見ただけでこんなんなってたらアイドルやってられへんわ。
もっと頑張らなあかん
あ、そろそろ新しいアルバムの曲作らな。
この前マネさんに聞かれた時作るって言うたからな。
頑張るか…
そんなことを思っていたおれには、メンバーの心配そうな視線に、気づくはずがなかった。
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作者名:ねむちゃ | 作成日時:2023年11月25日 22時