○○しないと出られない部屋に閉じ込められた

続き ページ7

「あ、愛してる」


彼女の小さく開いた口からでたその言葉に、一気に胸がドクドクと動く。

ああ、だめだ、これ、すごい恥ずかし…


早速にやけそうになったが、『ん゛ん゛』と咳ごんで、冷静を装い、マリネットの手にキスを落としてから


『愛してる』


「っ、愛してる」


次は、掴んだままのマリネットの手を頬に擦り寄せて、甘えるみたいに呟いてみる


そうすれば、彼女はついに顔をボッと赤く染めて、顔を両手で覆ってしゃがみこんでしまった。


可愛いな…なんて小さく笑うと、


ガチャ

といつもみたく扉が現れた音が部屋にひびいた。



『マリネット、もう出られるよ。』


マリネットと同じくしゃがんで、顔を覗いてみると、おおきく息を吐いた彼女は、「今、見ないで…うぅぅ」と赤い顔で呟いた




『でも、出ないと、心配されちゃうんじゃない？』



隠さないで、と言うように彼女の片腕をどかせば、林檎みたいに真っ赤になったマリネットの顔が見えて、彼女の方がドキドキしてるはずなのに


何故か俺まで真っ赤になって、


「…？A…」


顔、赤いよ…？―――



マリネットがそう言い終える前に立ち上がって、マリネットに手を差し出して、受け取ったその小さな手を引っ張って、ゆっくり歩いて扉にむかう



『…俺も、ちょっと、見ないで欲しいかも』



「…うん、私も」








その後しばらく、2人が出会うとどっちも顔を真っ赤にしてよそよそしく離れる異様な光景が教室内でみられたとか…




「ティッキー…なんでAはあんなかっこいいことがスムーズにできるの？」


「その礼の部屋でAと何があったの？」


「…いえないぃ」

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