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『…カチャ』
しばらく
マンネとふたり
ヒョンの部屋の前で
まってたら
ヒョンが
部屋から出てきた…
そのすぐ後ろに
見覚えのある
薄紫のパーカー…
ヌナが
そのブカブカのパーカーを着てる
そして
ヌナは
ヒョンの後ろの
服の裾を握って
『トボトボ』
と付いて出てきた…
ヌナの表情は
パーカーのフードを被っていて
それに
俯いているから
よく見れないけど
フードの紐がしぼめてあるのか
頭の形がまん丸で…
いつかどこかで
見た事のある
マスコットみたいだ…
ヒョンは
なぜか
ご機嫌で
鼻歌まじりで
キッチンの方に向かっている
僕達は声をかける事もできずに
その2人の後を
マンネと追うように
ついて行った…
…
…
ヒョンはキッチンについたら
冷蔵庫を開けて食材を出したり
棚からフライパンや大きな鍋を
出したりしている
ヌナはその後ろを
離れる事なく
服の裾を握ったまま
付き歩いている…
ヒョンが
久しぶりに
料理をするみたいだ
最近では
各自で
食事を済ます事が
ほとんどになっていた
何だか
昔を思い出すな…
いつもヒョンが僕達のために
美味しい手料理を
振る舞ってくれていたこと
「…あの…ヒョン、、僕、手伝います」
ヒョンに
料理の得意なマンネが話しかける
マンネが
ヒョンとヌナの近くに行くと
ヌナは
絶妙な距離をとってマンネと離れる
だけど…
そのうち
ヒョンがふたりに
味見なんかしてあげたら
よほど美味しかったのか
ふたりで顔を見合わせて
「うふっ」って
笑いあっている
…うん
良かった
仲直りできそうだ…
…安心した
けど
何だろう…
この気持ち…
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作者名：名無し85203号 | 作成日時：2023年6月30日 12時
