【ヒロアカ】定食屋の元プロヒーロー (ページ7)

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轟焦凍ページ7

▼土曜日ーAM11:30ー

ｶﾗﾝｶﾗﾝ…

『いらっしゃいませー

あら!焦凍くん』

「ﾍﾟｺﾘ」

彼は私が働いていることを知っている常連客の1人だ。

・・・

いつものカウンターの位置に座ってきたのですぐさまお冷やとおしぼりを出す

『ちょっと待っててね、“温かくないそば”作るから』

「ああ」

焦凍くんはよく来てくれる

なぜかって？

始めに来たときは7歳くらいで

彼はそばを頼んで食べていた。

当時彼は既に父親を嫌っており、
無理矢理連れて来させられて不機嫌そうだったが

そばが気に入ったんだろう。

あれ以来、一人でちょくちょく来てくれている。

ｺﾄﾝｯ

『はい、お待ちどーさま』

「…ありがとう」ｷﾗｷﾗ

ギャンかわええな焦凍くん…

イケメンに育つとは思っていたが、まさかここまでとは

イケメン、恐るべし。

・・・

食べている間は邪魔したくないので、
食べ終わってからが私たちのお話しタイム

『どう？学校は。楽しい？』

「…別に。俺は遊びに行ってる訳じゃねぇから

楽しいかどうかで判断してない」

あちゃ、エンデヴァーさん教育の仕方間違えちゃってますよ

『そっか。でも高校生活は大切にした方が良いよ

私が雄英ヒーロー科に通ってたのは知ってると思うけど

あっという間の3年間だったなぁ』

今でも思い出せるくらい、内容の濃い3年間

『辛いこともあったけど、仲間がいたからやり通せた。

…友達じゃなくても、仲間は、大切にしなさい』

優しく、真っ直ぐに彼の目を見ながら言うと

「!…まぁ、できるだけ…///」

と言ってくれた。

『ふふっ、ありがと！』

・・・
焦凍side

学校なんてただの通り道にしか過ぎねぇ。

そう思っていたが

『辛いこともあったけど、仲間がいたからやり通せた。

…友達じゃなくても、仲間は、大切にしなさい』

優しく

Aが真っ直ぐ俺に言ってくれるから

信じても良いのかな、なんて思って

「!…まぁ、できるだけ…///」

そう言ってしまった

『ふふっ、ありがと！』

マスク越しでも分かる
柔らかく笑うその笑顔は6歳上とは思えないくらい童顔で

俺の好きな笑顔だ

「…また来る」

そう言い残し、いつもの金額を置いて店を出た。

暖かい春の気持ちの良い風が吹いた。

・・・

？「ん？あれ轟じゃね？」

？「1人であの店から出てきたぞ」

？「おい！お前ら早くいかねぇとマック混むぞ！」

？「あ！待てよ爆豪！」