6話 ページ7
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日曜日
私はお兄ちゃんに背中を押されて、名刺にある事務所まで来てしまった
『…大丈夫、、ちょっと話すだけ。お話だけ聞いて…すぐ帰る、、』
自動ドアを抜けると、パッツンに揃えられた前髪にメガネの女性が立っていた
「あら?貴方は…」
『えっと この前、田村さんって方に名刺を頂いて、その』
「あっ!もしかして社長がデザイナーとしてスカウトしたって言う…貴方のこと?」
『は、はい…』
「あら、こんなに可愛らしい子だったのね。こちらへどうぞ?」
貰った名刺を出すと、女の人はにっこりと笑って事務所の中の方に案内してくれた。
「ここのソファーに座って待ってて。社長呼んでくるから」
『は、はい!』
案内された部屋は、観葉植物が飾ってあり 清潔感のある綺麗な部屋だった。
そう言えば 建てたばかりの事務所…って言ってたっけ
こういう雰囲気の部屋、お兄ちゃん好きだろうなぁ
お兄ちゃんのこと考えてたら制作意欲が湧いてきちゃった
持ってきたカバンの中からスケッチブックと筆記用具を取り出した。
社長さんが来るまでの間だけ……ちょっとだけだし……、、
シャッ シャッ と鉛筆がスケッチブックを走る音、私はこの音が好き。
いつもと違う場所で描いてるからかな、なんだかインスピレーションが止まらない。
ここには こんな感じの飾りで、服の模様は…、、生地はこっちの方がいいかなぁ
「あら、いいデザインね!」
『ヒィッ!!!!』
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作者名:お嬢。 | 作成日時:2023年8月27日 18時