4話 ページ5
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嵐のような女性は、「いい返事を待ってるわ」と名刺だけ私に渡して ホテルを出て行った
私はその女性の後ろ姿が見えなくなるまで、ボーッと出口を見つめることしか出来なかった
「……!、、お、、い!」
「……緋姫、緋姫!」
『あ……っ』
気づけば、パーティを抜け出してきた兄がずっと私の名前を呼んでいた
隣にはお父さんとお母さんもいた。
「緋姫、こんなとこに居たのか。」
「ん?手に何か…」
『う、ぁああ!なんでもない!なんでもない!何も持ってないから!!』
お父さんに手を伸ばされて、咄嗟に後ろに隠した
きっと、お父さん達は反対する…
お父さんもお母さんも 私と兄には立派なビジネスマンになることを期待してる
口には出さないけど、態度がいつもそうだった
『接待終わったの?』
「あ、あぁ。」
「緋姫も、そろそろ社交界に慣れないとダメだぞ?そんなんじゃ、将来が心配だ」
「もう、パパったら。緋姫なら大丈夫よ、私達の子だもの」
『あ、あはは…………はい、、』
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作者名:お嬢。 | 作成日時:2023年8月27日 18時