2話 ページ3
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『……退屈だなぁ』
今日はお父さんの会社が携わる仕事の社交パーティ
広いホテルを貸し切り、色んな人がワイングラスを片手に丸いテーブルを囲って立ち話をしている
難しそうな話ばっか…
お兄ちゃんも色んなお偉いさんとお話しててつまんない
『ロビーで休んでよ…』
そそくさと会場を抜け出した。
女の人の香水の匂い、男の人の加齢臭、ワインの香り、出されている食事の香り、色んな匂いが混ざって あそこはもはや地獄だ。
綺麗なのは外見だけ。
『あ、やっちゃった…』
気づけば、自分が着ているスカートの縫い目が少しほつれていた
このワンピース、私がデザインした中でも凄くお気に入りで、よく着てたからついにガタがきちゃったなぁ……
まぁ、こういう時のために 裁縫セット持って来てるんだけどね
スカートのポケットの中から 手のひらサイズの裁縫セットを取り出して 縫い直す。
服作りを初めてかれこれ10年、慣れたものよ
「あら、素敵なドレスね」
『えっ』
大人っぽいフレグランスの香り、落ち着いた綺麗な声
気づけば、私の目の前にはショートカットの女性が立っていた
……胸でっけぇな、おい。
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作者名:お嬢。 | 作成日時:2023年8月27日 18時