15話 ページ16
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翌日、社長からの呼び出しを受け 私は事務所にやってきた
持ってきて欲しい と言われたものはキャリーケースに入れてきたし、多分もうなにも忘れ物は無いと思うけど…
『お疲れ様です！……えっ』
初めて事務所に着た時に案内された部屋に入ると、私はある人物に目を向けてしまった
「あ、来た来た！ベストタイミング〜」
やたら上機嫌な社長の斜め前に座っているのは、2次審査で私が心を惹かれた2人
染谷勇次郎と柴崎愛蔵だった
『えっ！？うそうそっ！2次審査の時の…！！』
2次審査の後、社長に誰がグランプリに選ばれたのか聞いたけれど、全く教えてくれなかった
「君は…審査席にいた、、」
『あれ…？でもグランプリは1人のはずですよね？…も、もしかして今 面接試験中でした！！？？邪魔してごめんなさい！！』
「ううん、大丈夫よ。もう決めてあるから！」
そう言うと、社長は2人に向き直った
「おめでとう〜！あなたたち、2人で合格よ！」
……2人で？
「2人で？グランプリは1人じゃ…」
染谷勇次郎が困惑した顔で聴き返した
そのはずだ。募集広告を見せてもらったけど、募集広告にも大きく書かれていた。
「1人の予定だったけど、2人になりました」
『それって、それぞれソロでデビュー…って事ですか？』
「いいえ、あなたたちは2人で1つ。つまりユニットを組んでデビューしてもらいます！」
「「はあぁ！？」」
えぇっ！！？？
「あら、ハモった♡息ぴったり！いいコンビになりそうね！ねっ！緋姫ちゃん！」
『は、はあ…、、』
「素敵でしょ！」とでも言うような笑顔に、私は引きつった笑顔を向けた
……………詐欺師か、この社長。
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作者名：お嬢。 | 作成日時：2023年8月27日 18時
