13話 ページ14
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『これに、サインをして欲しいの』
御影コーポレーション 令嬢
日本で最も高い土地に建てられたお父さんの会社の高層マンションの最上階で “高級”と“一流”なものだけに囲まれて育った 温室育ちのお嬢様。
欲しいと言ったものは必ず手に入るし
嫌だと言ったものはすぐに取り払われた
私が今いる部屋は、お父さんが仕事でよく使う外が一面に見渡せる広い部屋
開放感があって好きだと言っていたけど、今この瞬間 私は息がつまりそうな気分だ。
手渡したのは、事務所で内田さんから貰った親の同意書
まだ未成年。
しかも中学生の私は、親の同意が無いとデザイナーとして雇って貰えないのだそう。
「だめだ」
「諦めなさい、緋姫」
想像はしていた。
『どうして?』
「緋姫。お前はレオと同じ 俺の後継者の候補。」
「そうよ緋姫。一流の大学に行って 一流のビジネスマンになりなさい」
「今まで沢山の服を作ってきたのは知っている。お前の実力も認めている。
だがな、お前が今 しようとしているのは 立派なライオンの元に生まれたのにも関わらず 無償で働きアリになろうとしているだけだ。
趣味は趣味で終わらせろ。お前のためを思って言っている。それに、たかがデザイナーだ。金にもならん仕事をしようとするな」
あぁ、この人達は本当に私のことを見てないんだ
穏やかな顔をして強烈な圧をかけてくる父親に、怒りが募り拳を握りしめた。
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『 や だ 』
ふざけんな クソジジイ
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作者名:お嬢。 | 作成日時:2023年8月27日 18時