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過去編 9話 ページ9

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其れから又、織田作さんは来なくなった。
その代わり、来るのは太宰さん。


矢張り、あの発言は駄目だったのか。
一方的で、無責任すぎるあの発言は。

そう思った途端、胸の奥がヒュン、と寒く感じた。



ある日を境に、太宰さんも来なくなった。
座敷牢には誰も来ない。又、少し前迄の日常だ。



今日も座敷に寝転がり、楽しそうに話す久作を眺める。
此の儘で善い。私にとっては、これが平和なのだ。



其れから1年程経ったある日、座敷牢の扉は開いた。



(………織田作さん? 太宰さん?)




何方かというと織田作さんが善いな……と思っていたのに、現れたのは全く別の人物だった。



「………よォ。手前が飾利か?」

『……え、誰ですか。』




太宰さんや織田作さんよりもずっと背の小さい、帽子を被った人。
夕焼け色の髪、空色の瞳、革手袋、袖を通さず肩にかけるだけのコート……
何もかもが普通の人とは違う。



「俺は中原ってモンだ。新しくポートマフィアの幹部になった。」

『か、幹部……』



その響きに、迚も物々しい雰囲気を感じる。



「そう構えるなよ。取って食いはしねェ。今回は、手前を此処から出す為に来た。」

『……此処から……って、』



あの時………
太宰さんに連れ出された時の記憶が蘇る。



『け、結構です、お帰り下さい!』

「……な、何でだよ。手前もこんな窮屈な所に何時までも居たくねェだろ?」

『私の事は放って置いて下さい!』

「何でだよ、折角手前を俺の部隊に勧誘してやろうと思ったンだがなァ……」

『………部隊、?』



嗚呼!と中原幹部は満足気に頷いた。



「俺は手前の事を思って勧誘しに来たンだぜ? 感謝しろよ?」

『……拷問をしたりは、』

「しねェに決まってンだろ。手前、中々面白い奴だな。」



中原幹部はニッと笑った。



「決めたぜ。何が何でも、手前を此処から引きずり出す!」

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由良の門を - 久作いいこと言う・・・!飾利さんと中也さんの出会いが最高です!!!! (6月14日 23時) (レス) @page7 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - 面白いです!!更新お待ちしています (2021年5月18日 7時) (レス) id: 233ca59b87 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - 面白いです!更新まってます! (2020年2月5日 13時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
きそ。(プロフ) - ルーーるさん» コメントありがとうございます〜(●´▽`●)頑張ります! (2019年2月1日 23時) (レス) id: f82e2c13e5 (このIDを非表示/違反報告)
ルーーる - 楽しませてもらってます!!更新頑張ってく下さい! (2019年1月6日 1時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きそ。 | 作成日時:2018年9月16日 22時

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