過去編 3話 ページ3
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織田作さんは、私に沢山の話をした。
両親の話もした。手遊びも教えて貰ったし、文字も、書く事は出来ないけど、読む事は出来るようになった。
私が何か出来る度に、織田作さんは「流石だな」等と褒める。
何が流石なのかは判らないけど、悪い気持ちはしなかった。
「却説、今日は何の話をしようか。」
『……一つ、お願いが有ります。』
「ん？」
両親は、如何して死んだんですか。
そう呟き、織田作さんの顔を見ようと顔を上げる。
その顔を見て、私は少し後悔した。
酷い顔をしていた。
聞いてはいけない事を、多分聞いた。
織田作さんから両親の話を聞き、私は両親という人間に興味を持ったのだ。
『……御免なさい。』
何となく、そんな言葉が出た。
だって、あまりにも酷い顔をしているから。
思い出したくない事を思い出した。そんな顔。
「否、お前が謝る必要は無い。お前がそれを知りたいなら、教えてやる心算だ。」
『……教えて、欲しいです。』
織田作さんは、少し黙った。
一度深呼吸をし、口を開いた、その瞬間。
カツ、カツ、カツ……
「………太宰。」
だざい？
織田作さんの視線の先には、真っ黒な男の人。でも、それと対象的な真っ白な包帯が印象的だ。
「……織田作か。最近見かけないと思ったら、こんな場所に入り浸って居たのかい。」
「嗚呼。飾利夫婦が先日亡くなったのは、覚えているだろう。その娘さんだ。」
「知っているよ。何せ、私は飾利Aに用があって来たんだからね。」
太宰……さんが、私に目線を向ける。
その表情は本当に人間なのかと疑うくらいに冷徹で、背筋が凍り付いた。
「Aに用……？」
「その様子だと、もうすっかりお友達って感じだね。悪いけど、暫く席を外して貰って善いかな？」
「………あ、嗚呼。」
織田作さんが立ち去ろうとする。
待って。行かないで。此処に居て。
この人と、二人きりにしないで。
手を伸ばそうとした。声を出そうとした。
でも、太宰さんのあの表情を思い出すと、出来なかった。
太宰さんは、もう一度顔を此方に向けた。
「先ず、君の事について色々知りたい。私の質問に答えてくれるかな？」
はい、と無意識に頷いていた。
「君は、自分の異能についてどれ位知っている？」
『……判りません。何も。物心付いた時には、此処に居たので。』
「そうか……では、着いておいで。」
牢の扉が、キィと音を立てて開いた。
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由良の門を - 久作いいこと言う・・・！飾利さんと中也さんの出会いが最高です！！！！ (6月14日 23時) (
レス) @page7 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - 面白いです!!更新お待ちしています (2021年5月18日 7時) (レス) id: 233ca59b87 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - 面白いです!更新まってます! (2020年2月5日 13時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
きそ。(プロフ) - ルーーるさん» コメントありがとうございます〜(●´▽`●)頑張ります！ (2019年2月1日 23時) (レス) id: f82e2c13e5 (このIDを非表示/違反報告)
ルーーる - 楽しませてもらってます！！更新頑張ってく下さい！ (2019年1月6日 1時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きそ。 | 作成日時：2018年9月16日 22時
