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過去編 1話 ページ1

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…………寒い。
もう慣れたけど。


体育座りを崩して、私は横になった。
やる事が無い。暇だ。



「………ねぇ、飾利さん。」



彼の高い声は、座敷牢の中でよく響く。



「遊ぼう?」

『………何するの?』

「んーとね、「あっち向いてホイ」って知ってる?」

『何それ。』

「じゃんけんで勝った方が、あっち向いての「ホイ」で、上下右左のどれかを指差すの。」

『負けた人は?』

「………忘れちゃった。」

『………あっそ。』



私はまた天井を見つめた。
暫くすれば、奴の寝息が聞こえてきた。
どこまでもマイペースだなぁ。


………カツ、カツ、カツと、靴音が聞こえる。

誰だろう。



姿を見せたのは、黄土色のトレンチコートを着た、背の高い男の人。



『………誰ですか。』

「………俺は織田作之助。下級構成員だ。お前は飾利Aで、間違いないか?」

『そう、ですけど。何の用ですか?』

「否、お前の親御さんには世話になっていたからな。挨拶しに来ただけだ。」

『………』



私の両親は、ポートマフィアだ。

この職場で出会い、この職場で愛し合い、結婚し、私を産んだ。
でも、2人は仕事人間だった。私を産んだ後も、部下に私を預けて仕事に赴いていたらしい。



そんな中、私に異能がある事が発覚した。



私は覚えていないが、感情が昂り異能を発動し、危うく面倒を見てくれていた部下の人を殺してしまう所だったという。
その事を知る人間を最小に絞り、私は間も無く座敷牢へ入れられた。


そして、両親が殉職したのは、三日程前の事らしい。
この「織田作之助」という人は、両親の部下だったのか。






そんな事、どうでもいい。

過去編 2話→



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由良の門を - 久作いいこと言う・・・!飾利さんと中也さんの出会いが最高です!!!! (6月14日 23時) (レス) @page7 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
neco(プロフ) - 面白いです!!更新お待ちしています (2021年5月18日 7時) (レス) id: 233ca59b87 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - 面白いです!更新まってます! (2020年2月5日 13時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)
きそ。(プロフ) - ルーーるさん» コメントありがとうございます〜(●´▽`●)頑張ります! (2019年2月1日 23時) (レス) id: f82e2c13e5 (このIDを非表示/違反報告)
ルーーる - 楽しませてもらってます!!更新頑張ってく下さい! (2019年1月6日 1時) (レス) id: cc1c1fbc8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きそ。 | 作成日時:2018年9月16日 22時

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