14話 ページ17
.
次の日出勤すれば、何時も通り働く中也さんの姿が。
昨日の姿がまるで嘘の様だ。
『お早う御座います。復活早いですね。』
「嗚呼、飾利か。朝起きたら頭痛くてよ……昨日飲んだ覚えがねェンだが……てか、手前俺の財布から何千円か抜き取ったろ！？」
『真っ先に疑われるの私なんですか。』
飲んだ事すら覚えていない……のか。
昨日は取り敢えず、広津さんを呼んで送り届けて貰った。
中也さんの財布から抜き取ったお金のうち千円札を差し出せば、やんわりと断られた。
「どうせ、貴女のお金ではないでしょう」と。
何でも見抜く広津さん怖い。
『知らないですよ。昨日勝手に一人で飲んで、お金払って帰って来たんじゃないですか？』
勿論、真っ赤な嘘であるが。
「……そうか？ やっぱそうなのか？ でも俺、昨日手前を飲みに誘った記憶があるぞ。」
『私は断った記憶があります。』
私は何時からこうも真顔で嘘をつける人間になったんだろうか。
「………そうか。悪かったな。疑ったりして。」
『いえ。』
御免なさいという気持ちよりは、よっしゃという気持ちの方が強い。
うん、今日も私は通常運転。
「っと、ンな事より、仕事の話だ。」
急に真面目な顔になり、執務室の一番偉い人が座りそうな椅子に腰を下ろす中也さん。
顎で促され、私もソファに腰を下ろす。
「今度、千葉の方で規模の大きめなマフィア戦争が行われるという情報が入ってな。二つのマフィアの勢力争いだ。」
差し出された資料には、最低限の情報にだけ目を通す。
細かい文字は苦手だ。
「然して、今回俺達の部隊に課された任務は、この戦争の鎮圧。可能であれば、両マフィアの殲滅だ。」
『はあ。』
出張だろうなー、面倒臭い。
「手前は前線で戦え。」
『嘘ぉ。』
「普段の任務でも手前はそれなりに優秀な成績だ。異能力も持ってねェのに此処まで来れたンだ。自分の才能に感謝するこったな。」
『…………。』
その件に関してはノーコメントだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1255人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月15日 17時) (
レス) @page25 id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 中也さんと主人公のやりとりめっちゃ好きです！特にニ●の映画のやつとかw (2023年2月12日 22時) (レス) @page18 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
アリウム - とっても面白くて好きですこういうの(^^) (2022年10月12日 20時) (レス) @page9 id: f86610be45 (このIDを非表示/違反報告)
白狐(プロフ) - パッピーセットで飲んでるコーヒー吹き出しそうになった… (2018年12月2日 18時) (レス) id: b607d0f086 (このIDを非表示/違反報告)
きそ。(プロフ) - 飛鳥さん» (´ー｀*)ｳﾝｳﾝ コメントありがとうございます！ (2018年9月22日 17時) (レス) id: f82e2c13e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きそ。 x他1人 | 作成日時：2018年5月6日 23時
