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宣戦布告 ページ16

「及川、部長会議。」

「はいはーい。」


男子バレー部の体育館に行きお目当ての人物に声を掛ける。

コイツの顔は正直あまり得意ではない。

眉尻を下げて弱く笑う親友の顔が脳裏にチラつくから。


「うーやん(梨花)機嫌悪くない?」

「あんたといるときはいつもこのテンションよ。」


部長会議の会場になっている家庭科総合実習室に向かう。

夏も本格的な暑さになってきて、冷房のない廊下は形容し難い気温になっている。


「彼女とは上手くいってんの?」

「なんでうーやんが知ってんのさ。」

「あんたの彼女さんとおんなじクラスなんでね。」


インハイ予選前に頬を赤らめた幸村さちがともだちに祝福されているのを聞いていらいらした。

そしてその後の部活であからさまに落ち込んでいるAを見て余計にいらいらした。


「Aが言ってたわよ。

あんたの好みは小柄の黒髪ロング前髪ぱっつんなんだって。」

「・・・・・・よく知ってるね。」

「ほんどだよね。

あんたが必死こいて探してる彼女の条件よくわかってんのよあの子。」


不愉快な表情を見せる及川を鼻で笑う。

ほんと、あの子が不憫でならないわ。


「別にあんたがどうしようと勝手だけどさ、私はあの子の親友なの。

あの子には幸せになってほしいし、くだらない男の所為で泣いてほしくないの。」

「かもっちゃんに俺は勿体ないよ。」


やけに辛気臭い顔に苛立ちがつもる。


「そうよ!!

あの子にはもっと素直に可愛がってくれる人がお似合いなのよ!!

だからAにもう思わせぶりな態度とるのやめてあげて!!」



見てるこっちが痛いのよ。




.

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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月18日 21時

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