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「静かね。」
「静かですね。」
「静かだな。」
部活の休憩中
他の部員たちがこぞってこちらを見てくる。
「思わせぶりは実刑にした方がいいと思いまーす。」
「また失恋か。」
可愛かったな。
4組の幸村さちちゃん
学年でもトップを張る美人で有名な子だ。
黒髪ロングの。
「あんた及川相手に一体何回失恋すれば気が済むのよ。」
「アタシが聞きたい。」
アタシが及川を好きになって4人目の彼女だ。
5人目、だったっけ?
「そんなに落ち込むんだったら及川がフリーのときに告ればいいのに。」
「梨花、」
「なに?」
「めっちゃ少女漫画みたいなこといってい?」
「やだ。」
本当に聞く気はないらしく、
休憩おわりー!の声に重たい腰を上げる。
「Aは俺なんかいなくても大丈夫だよ。」
久しぶりに思い出した嫌な思い出に封をする。
「女の子はちょっと手が掛かるくらいが可愛いもんなのよ。」
そんなのアタシが一番わかっている。
それでも相手の手を煩わせるくらいなら自分でやる主義のアタシにはそんなことできるわけもなく、
結局都合のいい" オトモダチ "止まりで終わってしまうのだ。
そこで幸村さんを思い出して気がついた。
「(前髪ぱっつんじゃなかった・・・?)」
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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月18日 21時