ノートの隅の約束事 × 呼び方 ページ9
「北くん。」
「･･････。」
春高が終わった北くんは部活を引退して一緒に帰れることが多くなった。
最近の日課となった右手の温もりはまだすこし照れ臭い。
「A。」
「うん？」
「" それ "そろそろやめへん？」
「それって？」
「北くん呼び。」
唐突な提案に戸惑う。
いつかは言われると思っていた。
だけどこんなに急に言われるとは思ってなくて。
「いや、でも、ちょっと、」
「Aは俺の名前呼びたない？」
「呼びたないとかそんなんじゃなくて、
急に変えるのは難しいというか、」
「せやな。
無理強いはよくないし、これからゆっくり呼べるようなったらええよ。」
優しく笑ってくれた北くんにホッと胸を撫で下ろす。
が、
「宮さん。」
忘れていた。
北くんはこんな爽やかななりしてかなりドSだった。
「き、北くん？」
「どうしたん？宮さん。」
「なんで急に名字呼び？」
「宮さんにも俺の気持ちわかってもらおう思て。」
急激に広がるように感じた距離を寂しく思い、
右手の熱を必死に手繰り寄せる。
「し、信介。」
「ん？」
「わたしも信介言えるように頑張るから、
Aで呼んで。」
そう懇願するとイタズラが成功した子どものような笑みを浮かべた。
「北くん、嫌い。」
「宮さん？」
「信介！！」
.
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水無月のぞみ - 誰が相手の夢話なのかタイトル横にでも書いて欲しい。 (6月1日 13時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
愛果(プロフ) - 主さんの言葉遣いがとても素敵で主さんの最初の作品から読んでて、、ほんとに大好きです！新しい作品が出るたびにワクワクして読んでます！これからも応援してます！ (2021年1月17日 20時) (レス) id: 22d2b78e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月17日 18時
