Monochrome × スーパーダーリン ページ22
〈お急ぎのお客様には大変申し訳ございませんが、〉
「嘘、でしょ。」
23:21
人が溢れ返る駅で唖然とする。
「電車止まってるし。」
よりによって今日！？
いやいつでも嫌なんだけど！！
と、一人でプチパニックになる。
唯一の頼みである黒尾さんには30分くらい前に先寝ておいてください、というLI○Eを送ったばかりだ。
了解、という簡単な返事を見るにもうベッドに潜り込んでいるだろうし。
さすがにこんな寒い中、布団から出て車を寄越してくれ、なんて言えない。
死んでもいいたくない。
「(タクシー捕まるかな。)」
予想外の出費とタイムロスに精神が衰弱してしまいそうだった。
力無い足で登った階段を降りて、タクシー乗り場に目を向けると人の列。
そりゃそうなるよな。
どうしよう、とその列を見て立ち竦む。
寒い
手先が凍りそう。
朝開けたカイロは既に冷たくなり掛けている。
ついてない、なんて言葉では言い表せないほどの絶望感に満ち溢れていたとき、ヒーローが現れた。
「お困りですか、おじょーさん。」
「黒尾さん！！」
同級生がおんなじタイプのミニバンを買ったということから、最近乗り換えた燃費の良い軽が目の前に止まって窓が開いた。
急いで助手席側に回り込み、乗り込んだ。
「なんでいるんですか？」
「AからLI○E来た時に電車の時間調べてたら止まってたから来ちゃった。」
手、つめた。
ゆるりと繋いできた手に頬が緩む。
こんな出来すぎた人が彼氏なんて本当にいいのか、と思う時があるけど、
別れろといわれても別れられる自信がないので、
私は幸福な人間なんだと納得することにした。
「(たまには遅延もいいかな。)」
なんて調子のいい私はこっそり隣を盗み見た。
.
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水無月のぞみ - 誰が相手の夢話なのかタイトル横にでも書いて欲しい。 (6月1日 13時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
愛果(プロフ) - 主さんの言葉遣いがとても素敵で主さんの最初の作品から読んでて、、ほんとに大好きです！新しい作品が出るたびにワクワクして読んでます！これからも応援してます！ (2021年1月17日 20時) (レス) id: 22d2b78e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月17日 18時
