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「もしもし、」
スピーカーにしてくれたスマホからは低い声が聞こえてきた。
「急に悪い。
中2の夏に俺と金田一と国見の３人で花火大会行ったよな？
烏野の近くの。」
「行ったけど、」
「さんきゅー。」
それだけ言うと電話をプツリ、と切った。
「わかったか？」
「ワカリマシタ。」
「俺が来たのは元カノじゃなくて友だち。」
「ハイ。」
次から次へと流れてくる涙を必死に止めようとするけど止まらない。
勝手に勘違いして、迷惑掛けて、飛雄くん怒らせて。
本当にどうしようもない。
「ごめ、なさい。」
「俺も不安にさせて悪かった。」
「ちがう！
飛雄くんはなんにも悪くない。」
優しく引き寄せてくれる彼にもう言葉すら出てこない。
「A、」
頭をポンポンしながら穏やかな声で私を呼ぶ。
「そんなに気にすんなよ。
お前が勘違いしてくれたおかげでお前の浴衣姿見れたし。」
「･･････私も飛雄くんの浴衣姿見れてよかった。」
飛雄くんは自分から私を軽く離し、衿に手を伸ばす。
キュッキュッと手際良く乱れた衿を直してくれた。
「担いだ時に暴れただろ。」
「そりゃ、急に担がれたら、」
「乱れた浴衣で泣くのはよくない。」
花火の明かりで見えた飛雄くんの顔は微かに赤くなっていた。
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水無月のぞみ - 誰が相手の夢話なのかタイトル横にでも書いて欲しい。 (6月1日 13時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
愛果(プロフ) - 主さんの言葉遣いがとても素敵で主さんの最初の作品から読んでて、、ほんとに大好きです！新しい作品が出るたびにワクワクして読んでます！これからも応援してます！ (2021年1月17日 20時) (レス) id: 22d2b78e51 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月17日 18時
