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「位置について、よーい。」
.
パァァッン!!
.
トラック半周分わずか100m
私の専門分野
肺が苦しい
半分も過ぎれば止まりたくなる。
それでも足は止まってくれない。
あぁ、これだ。
私がずっと追い求めてきた苦しさ。
辛いのに、
しんどいのに、
それでもまだできる、
まだ走れると、
ひたすら自分を追い詰めていくあの感覚。
ボールを共有しないし、
道具を使わないから、
なんて簡単な理由で始めたのに私の中で" 走る "ということはもはや簡単なことではなくなっていた。
「さ、さすがですわ。
相変わらず走り方が美しい。」
あとからゴールしてきたお嬢様はぜーはーいいながら私に詰め寄った。
「何故いきなり陸上を辞めましたの!!?
わたくしはあなたの美しい走り方が大好きでしたのに!!
高校でも部活に入らず!!
そのくせに走りは全く衰えていないってどういうことですの!!?」
「ちょ、わかったから落ち着いて。」
どうどう、と荒ぶるお嬢様を収めて1と書かれた旗の後ろに並ぶ。
随分と走っていなかったのに体が覚えていた感覚に胸が熱くなる。
まだ、走れる。
その気持ちは決して気持ち悪いものではなかった。
「Aちゃん!」
「潔子先輩!!」
徒競走が終わったあとに潔子先輩は駆け寄ってきてくれた。
「ナイスラン。」
「ありがとうございます!」
右手を勢いよく合わせる。
チームメイトはしてくれなかった。
みんな、私ハイタッチは出来るんだよ。
ちゃんと言えば私ももうちょっと変わってたのかななんて、
すこしだけ思う。
でも、こうしてこの場にいれると考えると、
言わなくて良かったなんて、
私も酷いことを思うものだ。
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MiO(プロフ) - あーーー!!私も潔癖症気味なとこがあって、、すっごいなんか、、親近感、、( ; ; )良いお話でした〜!!( ; ; ) (2021年1月17日 2時) (レス) id: 2121e4080a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月16日 0時