潔癖症女[ハイキュー] (ページ13)

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ちょっと待ってろ、

と言われて着いた校舎裏から影山くんは姿を消した。

なんとなくだるくて芝生の上に腰を下ろす。

ひとりになってようやくさっきまでの言葉を咀嚼する。

ハプニングの連続で頭が壊れそうだ。

「ほら、」

「ヒッ！！」

いきなり頬に当てられた冷たいそれに心臓がヒュッと音を立てて縮む。

「な、なに？」

「お前全然水分摂ってないだろ。

人に熱中症疑っといてお前の方が近いくせに。」

なるほど、このだるさは熱中症間近という警報だったのか。

「なんでわかったの？」

蓋を開けて渡してくれたペットボトルを口に押し当てて、

冷たい液体を体内に流し込む。

「手が熱かった。」

「なるほど。」

気持ち悪さを覚えて一口飲んで影山くんに返した。

「もっと飲め。」

「ちょっと気持ち悪いからまたあとで。」

渋々、といった感じで蓋を閉めた影山くんは黙って私の隣に腰を下ろした。

「さっきの話の続きなんだけどさ、」

「あぁ。」

「私さ、あんまり他人ってものが好きじゃないんだよね。」

「･･････。」

私のことを汚いと言い始めた男の子。

私のことをバイ菌だと言い始めた女の子。

所謂" いじめ "というそれは根拠のない悪口だった。

それでも幼くて素直だった私がそれを信じるには十分過ぎる根拠で。

綺麗になろう。

みんなに汚くないって知ってもらおう。

そう思ってみんなの前で必死に手を洗った。

必死に消毒をした。

それなのにそんな姿を見た周りの子たちは私のことを潔癖症だと嘲笑った。

他人は勝手だ。

私のことをバイ菌だと仕立て上げたのに、

次は私がみんなのことをバイ菌だと思っていると言ってくる。

もう、私には周りと距離を置く他どうしようもなかった。

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