潔癖症女[ハイキュー] (ページ11)

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「隠すなよ。」

「ﾊｲ。」

思いっきり睨まれたけど、

本当に怒る気配は無さそうなので大人しく手は前に出したままにする。

「初めてお前を見たとき、なんつぅか、心配になった。」

「それは私の手がガサガサだからじゃ、」

「そんだけで心配になるか。」

この前とは違い自分の手の甲にクリームを出して、

それを指で取り、アカギレの部分に優しく塗ってくれる。

「教室の前でやたら緊張してるし、でもよく見ると緊張っていうか怯えてるようにも見えるし。」

「知ってるか？

コイツ、" ケッペキショウ "なんだぜ！」

「なんか、私たちのこと汚いって思ってるらしいよ。」

「えー、何様ー？

自分がどんだけ綺麗なの？って感じー。」

うまくいっていた中学生活はおんなじ小学校の男子の一言によって呆気なく崩れ去った。

もしかしたら高校もそうかもしれない。

そうおもったらなかなか教室に入る勇気は出なかった。

「あの、」

ずっと自分のまわりだけ酸素が薄い気がした。

私のまわりの空気には21%もないように思えた。

それでも、

「手、大丈夫か？」

おかしなその一言が私の世界の酸素の割合を増やしてくれた。

「俺は今までバレー以外のことにはあんまり興味なかった。

俺の世界の中心はバレーでそれはたぶん10年後も20年後もかわらねぇ。」

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