予定調和 [ ワールドトリガー ] (ページ24)

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「あれ、起きてんじゃん。」
「狭山先輩。」

3回目にきたメガネくんのお見舞い
起きているとは思っていなかったのでちょっとびっくりした。
念のためノックしておいてよかった。
返事は聞かなかったけど。

「なんか落ち込んでる？」

置いて帰ろうと思ったお見舞いのフルーツの盛り合わせは、せっかく起きているのだからいくつか剥いてあげることにした。

リンゴと桃と梨を取り出す。

「フルーツナイフとかある？」
「そこの棚に。」

言われたところから小さいナイフと紙皿を取り出した。

「で、なんでそんなに暗いの？」
「あの、レプリカってどうなったんですか？」
「さぁ？
私が聞いた話だったらまだ見つかってないっぽいけど。」
「そう、ですか、」

リンゴを剥いてメガネくんに渡す。

「私も遊真本人に聞いた話じゃないし、しばらく迅ともあってないからちゃんとしたことはわからない。
でも、大切なことは自分で聞きな。
幸いメガネくんには聞ける相手がいるんだし。」

梨と桃もスルスルっと剥いて紙皿に入れた。
持ってきたのは私だし、剥いたのも私だからひとつくらい食べてもバチは当たらないだろう。

梨をひとつ摘んで、シャリっとした食感を味わった。

「やっぱり、」
「ん？」
「ぼくは、弱いです。」
「なに当たり前のこと言ってんの？」

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