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「お、晴れてく。」
暗かった空が青空に変わっていく。
どうやら戦いはここで終わりらしい。
「A、C級隊員の点呼をしてくれ。」
「はいはい。」
本部から送られてきたデータをもとに人数を数える。
「だいぶいないみたい。」
『こちら太刀川、狭山。
近界民は片付けた。
けどC級の数が合わない。
俺たちが着くまでに結構攫われたっぽいな。』
太刀川が私のところに来なければ、もっと多くの隊員を助けられたかもしれない。
後の祭り、とはよく言うけれど、仕方ないか、で片付けられるほど私は能天気ではない。
「反省はあとだ。
とりあえず
「うん。」
本部にも人型が侵入したらしく、だいぶ被害が出たそうだ。
「本部帰るぞー、ついてこーい。」
C級隊員に声をかける太刀川の前にひとり出てきた。
「大西は、」
なんとなく言いたいことが想像つくから嫌だ。
「大西はどこへ行ったんですか！？」
太刀川に詰め寄ろうとしたその子と太刀川の間に体を滑り込ませる。
「近界に連れ去られた可能性が高い。」
「そんな、じゃあ戻ってこれないんですか！？」
「それは現段階ではわからない。」
「どうにかしてくださいよ！！
あんたたち強いんでしょ！？」
涙をいっぱい溜めて睨みつけてくる目は姉を亡くしたあの日の自分を見ているようだった。
「今ここで喚いたら大西は帰ってくるの？」
「･･････。」
「どこでどう動けばこの展開は阻止できたのか、頭に残るのはそのことばかりで今何かに縋らなければ自分を保つ方法がわからない、たぶん君はそう思っているんだろうね。
でも、今私たちがすべきことってそれなの？
どうにかして、と他人に縋るんじゃなくて、どうしよう、と自分で考えることなんじゃないの。」
「すいま、せん。」
「言葉がちょっときつかったね。
戻ろう、本部に。」
「はい...」
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2024年3月21日 2時
