予定調和 [ ワールドトリガー ] (ページ21)

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「元気かー。」
「うわ、」
「そんな嫌そうな顔するなよ。」

うとうととしていた意識を引っ張り上げた声に思わず眉根を寄せる。

「私太刀川と一緒が1番嫌。」
「ひでぇ。」
「だって太刀川と一緒だと、私意味なくなるじゃん。」
「俺強いからな。」

はっはっはー、と軽く笑うヒゲとは逆にため息がこぼれる。

「で、私たちはどこへ行くの？」
「お前はできるだけ近界民と戦わず本部に戻れ。」
「本気で言ってんの？」
「サイドエフェクト使ったお前はもう用済みだ。」
「まだ戦えるんですけど。」

まだ酸素が若干足りない感じはするけど、足に力を込めれば立ち上がれるし、腕を振れば鎌だって使える。

「A、」
「私はボーダーの中でも1位2位を争う攻撃手(アタッカー)。
貴重な人材なの。
こんなところで戦線離脱していいわけがない。
だって私はこの街を守るって約束したんだから。」

真剣な目で太刀川を見る。

手の中にある" 姉さん "はこんなところで本部に戻れなんて絶対言わない。

動けるなら市民のために戦うのが、ボーダー隊員(わたしたち)の仕事だ。

「わかった。
このまま俺と基地東部に向かいつつ新型を撃破だ。」
「了解。」
「あと、全部終わったらちゃんと病院行けよ。」
「･･･了解。」

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