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大きな鎌を振るう華奢な背中
4年前突如私たちの前に現れたソイツはトリオン兵と戦う私に手を伸ばしてきた。
あまりの恐怖に立ちすくむ私を助けたのは唯一の肉親の姉だった。
防戦一方な感じだが、もとより姉さんが勝つ勝算は高くなかった。
そもそも姉さんは勝つつもりなどなかった。
私を逃す時間を稼ごうとしただけなのだ。
「逃げなさい、A。」
「自分を捨ててまで妹を守る姉妹愛。
泣けるなぁ、感動するなぁ、美しいなぁ。」
姉さんの体のあちこちから黒い煙が出る。
「姉さん、もう戦うのはやめて！！」
「Aが逃げたらね。」
私が逃げたら、なんていいながらそんなに持つわけがないことは私より姉自身がよくわかっていたことだった。
「姉さん！！」
姉さんの体が光に包まれる。
もうトリオン体でいられる程のトリオンがないのだ。
「A、」
「姉さん、走れるでしょ！？
とにかくここから離れよう！！」
「大丈夫よ、A。」
「なにが！？」
淡く微笑んで立ち上がろうとしない姉さんに嫌な予感がする。
「私がいなくなってもこの街の人たちを助けてあげて。」
「なに、いって、」
シュウウ、と音を立てて色をなくしていく姉さんの体。
「愛してるわ。
あの人にもそう伝えて。」
「自分で言ってよ！！」
ねぇ！！
必死で呼びかけるが、砂のように崩れていく姉さんはなにも言わない。
ただ、ただ美しく、最後まで気丈な姉の笑顔は私を縛り付けて離さない。
「最後まで妹思いな姉だったな。」
塵になった姉を呆然と見ていた私の前に、ソイツは立った。
そして、姉だった山に手を突っ込む。
「残念だったな、妹よ。
時間だ。
これはもらっていく。」
そういってなにかを手にして立ち去ったソイツ。
ソイツが手にしたものが
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2024年3月21日 2時
