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《今本部に着いた
ちょっと遅くなる》
顔文字どころか句読点すらないシンプルなメッセージ
アプリを開いたが、結局既読はつけずにスマホの明かりを落とした。
兄が危険なところから帰ってきた。
聞いてもないのに無傷を報告してくる当真のメッセージのおかげで兄も無事だということを知り、安堵する。
ベッドの上に転がしていた体を起き上がらせ、本棚の上に飾っていた写真たてをそっと手に取った。
小さなフレームに収まるふたりの男児と女児がひとり。
同じ瞳の色をした３人は満面の笑みを浮かべており、仲良さげにくっついている。
もう揃うことのないきょうだい
壊れてしまった女児
静かに流れた涙をぬぐうことなく、まっすぐに写真を見ても聞こえてこない兄の声
「会いたいよ、進兄。」
やさしく名前を呼んでくれたその声すらもう思い出せない。
頭の中で繰り返される最後の言葉は漫画のように文字しか浮かばない。
「さっさと帰ってきてよ、蒼兄。」
あたたかいその手で頭を撫でてよ。
大丈夫だって目を見て言ってよ。
はやく帰ってきて。
泣きながらもぐったベッドで一晩を明かしたが、結局兄は帰ってこなかった。
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ゼロラク(プロフ) - 何か主人公が悲しい (2022年8月22日 9時) (
レス) @page4 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2022年8月20日 22時
