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「おーい、空閑ー!」
「オサムと迅さん。」
空閑は自分と背丈の変わらない少女の背中がどんどん小さくなっていくのを眺めていた。
「今のアタシはハイドだからね。」
先程まで自分と話していた少女は不思議な表情をしてそんな言葉を呟いた。
数々の修羅をくぐり抜けてきた空閑はその表情には、
よく見覚えがあった。
あの表情は、
「(諦め。
それも自分が命を落とす直前のようだった。)」
三雲と迅が彼の元に到着したあとも、
そのことが頭のどこかに引っかかっていた。
「空閑、Aはどうしたんだ?」
「どっか行った。」
「あらら、逃げられちゃったか。」
「逃げられた?」
「Aって俺のこと嫌いなんだよね。」
いつものようにスナック菓子を片手に、
なんともなさそうな声でそう言った迅に空閑はなるほど、と頷いた。
Aがここを立ち去る前の不自然な話の切り方は目の前の掴み所のない先輩のせいだったことに深く納得した。
「なにかしたんですか?」
「なにかした、と言うよりかは、
会ったときに日常的に色々してる。」
「「・・・・・・。」」
「そんなにあからさまに引くなよ。」
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ゼロラク(プロフ) - 何か主人公が悲しい (2022年8月22日 9時) (レス) @page4 id: 3be08e9739 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名も無き者 | 作成日時:2022年8月20日 22時