天然メンヘラ製造機［ワールドトリガー］ (ページ14)

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「ま、そんな簡単な話じゃないからみんな苦労するんだけどねー。」

ふっと雰囲気を緩めた綾瀬は、

三雲の肩にポンっと手を置いてがんばりなー、とつぶやいた。

綾瀬が出て行った訓練室で三雲は細く息を吐き出した。

「一体何者なんだ、あの人は。」

「一種の洗礼よ、洗礼。

新人に圧掛けるの好きなの。」

「綾瀬先輩、性格悪いからな。」

「悪いって言うか歪んでるのよ。」

「(言いたい放題･･･。)」

綾瀬がいないことをいいことにぽんぽん出てくる彼への愚痴を聞くに、

普段からだいぶ自己中心的な行動が多いことが安易に予測できた。

「ま、でも遊真と千佳が正式に入隊したらあんたをそういう目で見てくる奴は大勢いるわ。」

「なるほど、あやせせんぱいはそれを見越して、」

「いや、ただ修に嫌味言いたかっただけだ。」

「･･･ふむ。」

かなりの強さをもった空閑と莫大なトリオン量を誇る千佳。

平凡でトリオン量に至っては下のレベルに入ってしまう修には、

少々荷が重いメンバーは他人が噂のネタにするにはおいしいのだ。

「でも、俺には激励にも聞こえました。」

修を見つめたあの真っ直ぐな瞳にはどこにも嫌味な色は映っていなかった。

「･･･おさむはどえむ、なのか？」

「だいぶ都合のいい耳をしているのね。」

「大丈夫だよ、修くん！

ここの壁分厚いからあやちゃんにまでは聞こえてないよ。」

「いや、あの、」

それが他人に伝わるかどうかはまた別の話である。

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