女帝［ワールドトリガー］ (ページ4)

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「おい。」

「あら二宮さん、挨拶の一言もなくて？

あなたそれでも大学生。」

ボーダー基地本部の広いラウンジで、

することもなくただ座っていたアタシのもとに現れたのは、

新之助のところの隊長さん。

「犬飼から辻の女性恐怖症はお前のせいだと聞いた。」

「アタシの話はどこまでも無視の方向で行くのね、オーケー。

というか、犬飼クンは随分とおしゃべりなのね。」

偉そうな態度でアタシの前に座った彼は、

相変わらず愛想のない顔で淡々と話を続けてくる。

正直言ってアタシはこの人が苦手だ。

偉そうだし、偉そうだし、偉そうだし･･･。

何よりアタシの大好きな新之助を取られたんだもの。

アタシと二宮さんは一生和解することはないだろう。

「それで？

新之助が女性恐怖症だから何？

責任取ってあなたのチームに入ってあげましょうか？」

「いや、いい。

お前だけはチームに入れないと決めている。」

「あらそう？

じゃあ新ちゃん渡してくれる？

アタシと新之助でチーム組むから。」

「それはダメだ。」

「やっぱりアタシ、二宮さんのこと嫌いだわ。」

結局アタシに文句を言いに来ただけのようで、

それ以上の話題はないらしい。

「最後に一つだけ言いたいんだけど。」

「なんだ。」

「みんな勘違いしてるけど、

新之助は女性恐怖症じゃないわ。

異性が極めて苦手なだけよ。

あの子、モテたいっていう願望はあるみたいだし。」

それじゃあサヨウナラ。

軽く手を振ってその場を離れる。

二宮匡貴

彼だけはいつか絶対泣かせる。

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