女帝［ワールドトリガー］ (ページ25)

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控えめに言って新之助の走りは最高だった。

長い足が爽やかに動き、

2位の団と圧倒的な差をつけてゴールテープを切った。

まじうちの新之助最高。

本当に神。

生まれてきてくれてありがとう。

「最高の体育祭だったわ。」

「それはよかったんですけど、先輩はちょっと休んでください。

顔真っ赤ですよ。」

「片付け終わったら休むよ。」

そうじゃなくて、と怒る遥の頭を撫でて、

テントの片付けのために待機してくれている1年生に声をかける。

大体の片付けが終わった頃に、

あることを思い出して遥に声をかけた。

「遥、片付け終わったら蔵内くんたちに声かけて生徒会室にきてくれる？」

「生徒会のメンバーですか？」

「ううん、そっちじゃない方。」

「了解です。」

ポケットに入っている小さなメモ用紙を確認して、校舎内に入った。

体育祭後の校舎は閑散としていて、

グラウンドの方から写真を撮る声や最後の体育祭に涙を流している光景が見える。

重たい足を動かして階段を登り、家庭科室に入った。

「待ってましたよ、辻A先輩。」

「さてアタシに何のようかな、山下秀馬くん。」

名前を呼ぶと嬉しそうに笑う山下秀馬。

アタシは今日、こいつとの戦いにケリをつける。

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