女帝［ワールドトリガー］ (ページ24)

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体育祭は順調に進んだ。

暑さが気になっていた応援合戦も無事終了し、

残りは団対抗リレーだけとなった。

「先輩は走らないんですかー？」

「これ以上種目出たら熱中症で死んじゃうわ。」

各種目の出場と応援合戦、それに加え生徒会の仕事で朝からほとんど休みなく炎天下の下働き続けた。

やっと休憩時間ができたと思ったら体育祭も終盤だった。

「まあ、新之助が走るのに生徒会テント(特等席)で見ないという選択肢はないわ。」

「辻くんアンカーですからね。」

2年生の新之助がアンカーに選ばれたのは、

若干アタシの権力が入ってないとも言い切れない。

だけど、あの長い足の新之助をアンカーにするというのは妥当な判断だと思う。

「遥、アタシこの日のためだけに一眼レフ新調したのよ。」

「高そうですね。」

「3、4か月分くらいの任務の成果は飛んだわね。」

黒光するゴツいカメラを構える。

青団の1番走者は風間隊の歌川らしい。

せっかくなので撮って、風間さんや果歩に見せてあげよう。

パンッッ！！というピストルの音とともに走り出した歌川は、

みるみる他の人たちと間を広げていく。

さすが歌川。

風間さんの弟子なだけあるわ。

あっという間に次の人へとバトンが渡っていく。

その後もちょくちょく出てくるボーダー隊員の写真を撮りながら、

新之助の出番を待った。

「あ、次ですね。」

「遥、アタシ泣きそう。」

「(もう涙出てるんだけどなぁ。)」

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