女帝［ワールドトリガー］ (ページ23)

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「姉さん。」

「新之助？」

体育祭当日の朝

いつも通り新之助と家を出たのだが、

新之助の様子がいつもとは違っていた。

「もう姉さん呼びに戻してもいい？」

「うん、いいよ。

アタシの方こそごめんなさいね。

実の姉に名前呼びと敬語なんて嫌だったよね。」

きっとずっと嫌だったけど言い出せなかったのだろう。

大好きな弟に嫌な思いをさせるなんて姉失格だ。

もっと早く気づいて言ってあげればよかった。

「違うよ、姉さん。

あの呼び方が嫌だったわけじゃないんだ。

でも、姉さんのためにもこれからはちゃんときょうだいとして線引きをしないといけないと思う。」

「きょうだいとして？」

そんな危ない響きどこで教え込まれたの？

新之助とアタシは血の繋がった本当のきょうだい、

だけど同じ家で暮らすうちに恋情が芽生え、お互いにモヤモヤする日々を過ごす。

そんなある日、神妙な面持ちの母さんから伝えられた衝撃の事実･･･

的なそれ？

「姉さん、誰に学ラン借りたの？」

「そんな殺気だった人に教えられるわけないでしょ。

もし教えたらあなた米屋のこと潰しかね、な、い、」

「姉さんって本当に素直で可愛いね。」

「･･････。」

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