女帝［ワールドトリガー］ (ページ19)

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「Aさん、なんか疲れてます？」

学ランの入った紙袋を引っ提げた米屋は、

きょとんとした表情でアタシの顔を覗き込んだ。

「ｯちっかい！」

「あー、すいません。

でもあんまり顔色良くないですよ。

明日の体育祭大丈夫ですか？」

大丈夫よ、そう言い切ったはずなのに、

口から出た言葉には覇気がなくどこか弱々しく感じられた。

「明日暑くなるみたいなんで気をつけてください。」

「米屋のくせに生意気。」

「こんな弱ったAさんみたら誰でも心配になりますよ。」

後輩に心配されるなんてダメだ。

もっとしっかりしないと。

「まだ大丈夫だから。

1人でもがんばれる。」

その言葉に米屋の目の色が変わった。

いきなり手を掴まれ、ズンズンと廊下を進んでいく。

かなりのスピードでたどり着いたのは三輪隊の作戦室

中には米屋以外誰もおらず、

なぜか4つしかない座椅子のうちの１つに座らされる。

「米屋？」

「Aさん、誰がAさんにひとりで頑張れなんか言ったんですか？」

「誰も言ってない。

アタシの独断よ。」

「じゃあなんでひとりで頑張るんですか。」

米屋の目が怖い。

光を宿していないその目にどこまでも吸い込まれそうだった。

「まだ大丈夫なの。

今はみんな忙しいし、アタシなんかのために割く時間はない。

だから、」

「それ本気で言ってる？

本気で言ってたら結構ガチめに怒りますよ？」

米屋、君は結構ガチめに既に怒ってると思うよ。

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