影浦家のYDK[ワールドトリガー］ (ページ5)

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「よー、A。

本部行くんだろ？

一緒に行こうぜ。」

「知らない人にはついていったらダメって、

まさとくんに言われてるから。」

背の高いリーゼントヘアの男からふいと視線を外したAに、

その男は困ったように眉を下げた。

「俺、そのまさとくんのともだちのはずなんだけど。」

「当真くんがそう思ってても、まさとくんはそうもってないかも。」

「知ってんじゃん、俺のこと。」

ジュース、

そういうと軽く返事した当真は自動販売機でオレンジのパックを購入した。

「お前さー、遠征行きたいんだろ？

うち入れよ。

12月の遠征多分うち行くぜ。」

「別になんでもいい。」

「じゃあ決定な。

本部着いたらうちの作戦室で書類サインしろよー。

真木ちゃんいると思うし。」

Aはふうん、と興味なさげに呟いた。

それを見て当真はまた困ったように笑った。

Aを自分の隊に勧誘する隊員は少なくなかった。

しかし彼女はなぜみんなが自分を勧誘してくるのかよくわからなかった。

兄のように戦闘に役立つサイドエフェクトがあるわけでも、

特殊な戦い方も、

みんなが欲しがる要素が彼女は見つけられなかった。

「みんな変わってるね。」

「お前ほどじゃねえよ。」

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