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「じゃあこの仕事についた理由は？」
引き出しの中からアーモンドチョコを出したかなちゃんは、
箱をこちらに向けてくれた。
お礼を言って一粒もらう。
「結婚って究極の素直やと思わん？」
「たしかに。
素直になれんとできませんよね。」
甘いチョコの中から香ばしいアーモンドの香りが鼻に抜ける。
「私はアホみたいな反抗期のせいで、
いちばん素直になりたかった人に素直になられへんかったから、
素直になった人たちの側におったら素直になれるんちゃうかなー？思て。」
かなちゃんは2秒ぐらいフリーズして、
唐突に爆笑し始めた。
「え、なんで？」
「いや、Aさんかわいすぎ！！
素直な人の側におったら素直になれるんちゃうかなって！！
もう無理！！」
可愛い、可愛い言いながらしばらく爆笑し、
綺麗なピンクで縁取られた爪で涙を拭ったあとかなちゃんはようやく元に戻った。
「で、素直になれたんですか？」
「でやろ？
もう8年もあってないからなぁ。」
結局最後に会ったのはバレーをやめると宣言したあの日。
あの日から連絡も取ってない。
バレーは１年間なんもしやんと決めてその期間はボールに触れもしやんかったけど、
ようやく自分の中で他人の評価が消えたころに、
治を誘って高校に顔を出した。
生徒に混じりなんにも考えずにしたバレーは格別に楽しかった。
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花菜(プロフ) - 泣きました…。 (2021年1月2日 22時) (
レス) id: c1e54e4d22 (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです！私は6人兄弟の末なのですが、前回の作品と共に共感しながら読ませていただきました。これからもがんばってください！ (2021年1月1日 19時) (レス) id: 2feed6ce2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月1日 15時
