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急に治から電話がかかってきた。
今日定時で帰れんのか？
帰れんねやったら実家に来い。
実家で車で30分程度のところに住んでいるため、
帰ろうと思えばすぐ帰れるし、今日は定時で帰れる日なので大丈夫だが、
こんな呼び出し初めてで、定時ぴったりに仕事を引き上げ急いで車に飛び乗った。
実家近くのパーキングに車を停め、急ぎ気味で歩く。
カバンの中から鍵を出そうとしたら、低い声が上から降ってきた。
「おかえり。」
久しぶりに見た金髪は無造作に整えられていた。
「な、んで？」
「俺、結婚すんねん。」
はっきりと、
目を見ていう侑。
しばらくの沈黙がふたりを包む。
なんて言えばいいんかわからんくて、
11月の寒さに手足が凍りついていく感覚に襲われる。
ガチャ
「なんやきてるやん。
なんでそんなとこおるん。
寒いやろ、はよ入りや。」
侑とよお似た顔が家から出てきて、顎で中を指す。
「で、素直になれたんですか？」
頭の中に響くかなちゃんの声。
まだや。
まだ、素直になれてない。
「お、にいちゃん。」
家に入りかけてた体を無理やり引っ張る。
「A？」
「おにいちゃん！！」
いつからやろ侑と呼び出したのは。
いつからやろ流れそうになる涙を我慢し始めたのは。
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花菜(プロフ) - 泣きました…。 (2021年1月2日 22時) (
レス) id: c1e54e4d22 (このIDを非表示/違反報告)
蒼猫(プロフ) - 滅茶苦茶面白かったです！私は6人兄弟の末なのですが、前回の作品と共に共感しながら読ませていただきました。これからもがんばってください！ (2021年1月1日 19時) (レス) id: 2feed6ce2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月1日 15時
