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Hologram ページ31
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「たぶんAの奥底で眠る記憶が楽しかった日々を忘れたくないって思ったんだ。」
その記憶さえ思い出さなければ、
Aは今も真実を知らずに生きていたはずだ
「そっか。」
「ごめんな。」
「迅さんが謝らないでよ。」
Aを守るために作られた記憶
不透明なそれにあった確かな温もり
「確かに、私が帰ってきた半年間の記憶さえ思い出さなかったら、
これから先の人生もっと能天気に生きていけたかもしれない。
でも、私みんなのこと忘れなくてよかった。
みんなのこと忘れるくらいなら背負うよ。
自分の過去も。」
迅には視えていたはずだ。
涼雅が黒トリガーになることも
橙子が重症を負うことも
Aが記憶の一部を取り戻すことも
そして迅はそれら全てを背負うことを決めた
だったら自分もそれなりのものは背負わなければいけない
仲間が持っている荷物を自分が重くしてどうする
「迅さん、ありがとう。」
「Aにそう言ってもらえただけで全てが報われた気がしたよ。」
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作者名：名もなきもの
| 作成日時：2021年2月22日 7時
