めらちゃん先輩【ワールドトリガー】 (ページ27)

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有郷涼雅と迅悠一が出会ったのは今から6年前

涼雅の妹が連れ去られてから2年が経とうとした頃だった

ほんの少しずつ妹のいない生活に慣れてきた自分を責めていた

そんな時だった

「お兄さん、暇？」

あどけない少年に声をかけられたのは

「暇だけど暇じゃない。」

「暇なんだね。」

河川敷でぼーっと空を眺める涼雅に少年は笑いかけた

「俺、迅悠一、13歳。

お兄さんは？」

「有郷涼雅、17歳。」

迅悠一と名乗った少年は不思議な雰囲気を醸し出していた

人生2周目のような風格はとても年下のようには思えなかった

「涼雅さん、俺が未来を視れるって言ったら信じてくれる？」

「未来？」

知らない男の子

それも自分より年下の

そんな子が発した言葉を涼雅はにわかに信じがたかった

迅も信じてもらえるとは思えなかった

だが、

「そうだな･･････。

なにか立証できるものがあれば信じるな。」

「立証できるもの？」

「俺の未来なにか視えないか？

たとえば俺が女の子の前で泣いてる未来、とか。」

冗談半分

願望半分

ただそんな未来はないと涼雅にはわかっていた

それでもなにかに縋りたい気持ちを、

あろうことか迅に押し付けたのだ

「視えるよ。」

「は？」

「この河原で、

空から落ちてきた女の子を抱き抱えて泣いている涼雅さんの姿が。」

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