めらちゃん先輩【ワールドトリガー】 (ページ22)

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Arousal ページ22

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「なんて顔してんのよ。」

ぱさりと音を立てて落ちた花束

優雅に雑誌を読む姿は体中切り刻まれた人間には見えない

「え、」

「ん？」

「い、いつ起きたの？」

「昨日の夜。」

水買ってきてくれない？

雑誌から顔を上げずにそういう橙子ちゃんに、

橙子ちゃんらしいなという身も蓋もないことを思った

「橙子ちゃん。」

「なに？」

「起きたらまず言うことあるでしょ。」

「あぁ、おはよう。」

「ふざけてる？」

「至極真面目だけど？」

カバンの中に入れていたペットボトルの水を取り出した

「なに、これ。」

「水。」

「バカにしてる？」

「迅さんと会ってこれ持ってけって言われたの。」

「まぁた、あの胡散臭い迅か。」

「また？」

ごくごくと豪快に喉を潤す橙子ちゃん

どうやら昨日の夜

自分が目を覚ましたら迅さんがいたようだ

橙子ちゃんが目覚める未来を視ていたらしい

「夢の中で涼雅にあった。」

「お兄ちゃん？」

「うん。

起こしにきたの、A泣かせるなって。」

「泣いてないけど。」

きっとあの無愛想な兄は、

自分の恋人が生死の狭間を彷徨ってるときにも真顔でさっさと起きろとか言ってたんだろうね

「あんた涼雅にあたしを起こすように言った？」

「直接は言ってないよ。」

「直接言う方法があるなら教えてほしいわ。」

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