落ちた先に、出会い、愛［ハイキュー!!］

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「お兄ちゃん！」

「なにー？

とうとう月島と付き合った？」

「付き合ってない！」

でも、なんで月島先輩とのことだとわかったんだろう。

なんだかんだ勘の鋭いお兄ちゃん

それはバレーボールで培われたものなのか、

それとも天才のものなのか。


「月島先輩の連絡先ゲットしたの！！」

「おー！

よかったなぁ。」

「うん！」

「やっぱり脈アリ？」

「そんなことはないと思う！

私と付き合うくらいならもっとかわいい子いるはずだし！」


画面に表示されているショートケーキのアイコンを撫でる。

こんな夢みたいなことがあっていいのか、と何度も考えた。



「Aはかわいいよ。」

「ううん！

ゆうちゃんとかみきちゃんとかの方がかわいいよ。」


お兄ちゃん譲りの白くて柔らかな髪の毛は好きだし、

これまたお兄ちゃん譲りの泣きぼくろも気に入っている。


ただ、私は他人にどれだけ言われようが私の顔を気にいることはできない。

だから鏡を見ることが苦手

でも、メイクをしないと外に出たくないから鏡を見る。

そしてまた自分の顔にがっかりする。


もうずっとそれの繰り返しだ。



「ちょっと走ってくる。」

「気をつけてなー。」


寂しそうなお兄ちゃんの顔に気が付かないふりをして靴紐をぎゅっと結ぶ。

お兄ちゃんにあんな顔をさせたいわけじゃない。

どうすればいいのかわからなくて私は家を飛び出た。



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