落ちた先に、出会い、愛［ハイキュー!!］

・ ページ18

「こんな大きいの一人で作ったのぉー？」

「かわいそー！

手伝ってくれるお友達いなかったんだ！！」

「てか、美希、あんた美術部じゃないの？」

「えー、そうだっけ？」


きゃはは、と甲高い笑い声が廊下まで響く

嫌な汗が背中を伝う

3人分の声のうちの一つを私は聞いたことがある





「あんた、勘違いしないでね。

月島くんには仁花ちゃんがいるんだから。」



「ははは、ざまーねーな。」

「紫乃、口わるぅーい。」


声が遠ざかっていく

急いで美術準備室に入ると、

昨日まではカラフルだった看板に真っ黒なペンキがかかっている


本当に卑怯で狡猾で愚かな人たち

こんなことをしなきゃ私に仕返しができないだなんて


震える唇を噛み締めて、涙を堪える


今、ここで泣いてなんかやらない

そんなことしたらあの人たちの思う壺だ

絶対完璧な看板を完成させてやるんだから


美術準備室を飛び出て、真っ先に向かったのは生徒会室



「失礼します！！」

「A？」


そこで作業していた生徒会役員のゆうちゃんに生徒会長を呼んでもらう


「どうかしました？」


ショートカットの似合う美人な生徒会長さんにさっき起こった事件をざっくりと話した


「本当ははらわたが煮えくり返りそうなんですけど、

まずは看板を完成させることが最優先です。

それで看板の提出日は明日までの予定だったと思うんですけど、

来週までに変更してもらえないでしょうか？」

「もちろんです。

もし必要ならば生徒会からも人材を貸し出しします。

どうかよろしくお願いします。」

「ありがとうございます！！」

「こちらこそです。」


.

・→←Fifth Contact

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す