家 族 ページ20
・
「ただいまー。」
「あ！ねえちゃんだ！」
「おかえりー！！」
「ぐふっ」
勢いよく鳩尾に飛びついてくるふたつの同じ顔
「
「「あ、ごめん。」」
「ｳﾝ、ﾀﾞｲｼﾞｮｰﾌﾞ。」
小学4年生の弟の紗江と香江は歳のわりに小柄だが、
運動神経が良く、優しいので女子に大人気らしい。
「
もうひとりの弟、絢羽は中学に入った途端身長がめきめき伸び始めた。
ちょっと前までアタシより下にあった頭は、もう見上げるほど上になってしまった。
「寝てる。
体調悪いんだって。」
「そっか。」
体の弱いお母さんはよく体調を崩す。
とくにお父さんと仲が悪くなってからは、
仕事以外であまり外に出たがらなくなった。
お父さんとは所謂別居状態にある。
お父さんはびっくりするほど生活能力がない。
それこそ自分の稼いだお金をギャンブルに注ぎ込むような人だし、
ひとりでいるとご飯を食べずにお酒ばっかり飲んでいるような人だ。
その生活能力なさをアタシが受け継いでいる、ということを知っているお母さんと絢羽はアタシのことをすごく心配している。
ただ、あんな父親を見ているのでギャンブルはしない。
「ちょっと様子見てくるね。」
「よろしく。」
2階の角の和室
おかーさん？と小さく呼びかけてからノックする。
返事はないので寝ているのかもしれない、
だけどお母さんの顔を一眼見たくて小さく引き戸を開けた。
「あら、A。
おかえりなさい。」
「ただいま。
起きてるなら返事してよ。」
「聞こえなかったの。」
ふんわり
花が咲いたように笑うお母さんは、
子どもを4人も産んだようには到底見えない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ワールドトリガー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラピス(プロフ) - 初コメ失礼します。端的に言うと、カゲさんイケメンかよ…！応援します！ (2021年2月14日 18時) (
レス) id: 2aba3889f7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのみ(プロフ) - アニメも再開してワートリ熱が再度温まってきたところにドスっと刺さりました。陰ながら応援しています！ (2021年2月12日 22時) (レス) id: 20ed7c05bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名もなきもの
| 作成日時：2021年2月11日 21時
