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終礼後

カバンを持って立ち上がる。

花の埋まっている中庭に急ごう、と教室を出たところで担任に呼び止められた。


「私急いでるんですけど、」

「悪りぃな。

これ化学研究室に置きにいってくんない?」

言葉は疑問系なのに、

担任の手にあったはずの模型はもう私の手の中にあった。

くそ、呪ってやる。

そう思いながら、化学研究室にダッシュした。


4階から階段を駆け降りていく。

急いで中庭に向かうと二口くんと黄金川くんの声がまだ聞こえる。

それになんだか楽しそうだ。

何事か?

と思いながら声の方に近づいた。

すると、


「二口先輩!

くらえ!!ウォータースマッシュ!!」

ブシャアアア!!!


「え?」

「あ、」

「やば。」



勢いよく飛んできた水が顔から全身にかかる。

水浸しだ。


「黄金、」

「はい?」

「今すぐ部活いけ。」

「いや、でも、」

「いいから。」

「はいっす!!」

半泣きになって、すいませんでしたー!!と言いながら走り去っていく黄金川くん。

二口くんは近くにあったスポーツバッグを開けた。


「すいませんでした。

大丈夫ですか?」

「あ、うん。

大丈夫って、これ部活で使うんじゃ、」

「部室に予備あるんで。」

タオルで頭をわしゃわしゃと拭いてくれる。

「はい、これ。」

またカバンを漁った二口くんは今度はジャージを取り出した。

「ちょっとダサいけど、帰る間くらいは我慢してください。」

「いや、さすがにそこまでは、」

「そのスケスケな状態で帰るんですか?」

ばっと自分の姿を顧みると、黒の下着がくっきりとうつっている。

「アリガタク借リマス。」

「そうしてください。」



.

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黒瀬将哲(プロフ) - にろさいこうです!! (2022年4月1日 17時) (レス) @page19 id: c2f07a43fa (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - え、終わり方もストーリーもめっちゃ好きです!ありがとうございました! (2021年2月23日 21時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
シオン - おもろいです (2021年2月18日 1時) (レス) id: e97ad3a9c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぽうんどけーき(プロフ) - めちゃくちゃ良かったです!次回作も楽しみにしています、これからもがんばってください応援しています!! (2021年2月3日 21時) (レス) id: c664a17e86 (このIDを非表示/違反報告)
納豆巻子(プロフ) - とても面白いです!!夢主ちゃん頑張って!!!これからも応援させていただきます!!! (2021年1月31日 14時) (レス) id: c9ba209118 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:名も無き者 | 作成日時:2021年1月28日 7時

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