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「(今日こそ通報してやる･･･！！)」
大胆に腰辺りで動く手にそう誓いを立ててからもう何日も過ぎた。
この痴漢、というやつは早めに対処しないと調子に乗ってエスカレートする、と昔友だちが言っていた。
しかし、どのようにして対処すれば良いのだろう。
ここで声を上げれば誰か助けてくれるのか？
次の駅で降りて駅員さんに言えば信じてもらえるのか？
そもそも会社に遅れてまで言うべきことなのか？
私は今、たくさんの人がすし詰め状態になっているこの場所で全然知らない人に体を触られていますよー、
と言ってどうなるのだ？
誰か助けてくれるなんて保証もない。
東京という街は人が多いくせに冷たい。
頭は痛いし、
手は気持ち悪いし、
ガンガンに効いている冷房がだんだん気分を悪くしていく。
あ、これ。
やばいかも。
そう思ったとき。
「お兄サン。
それはちょっとよくないんじゃないの？」
腰の辺りで動いていた手が消えた。
声の主を辿ると、スーツを着た高身長の男の人が明らかにお兄サンではない男の人の手を掴んでいた。
「ち、ちがう！！
わたしは！！」
「うんうん。
ここで話を聞いてもアレだし、次の駅で一回降りましょう。
お姉サンも。」
「あ、はい。」
東京にもこんないい人がいるのか。
そう思っただけで涙が出そうだった。
助けてくれた男の人は器用に満員電車の中で体を入れ替え、
私とおじさんの間に入ってくれた。
痴漢から解放された安心感と体調の悪さが相まって、
細い棒で支えていた私の膝はカクンッと折れた。
が、
「おっと、大丈夫？」
.
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Shuka(プロフ) - また次回作も楽しみにしています！ (2021年1月18日 7時) (
レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
Shuka(プロフ) - こんにちは。内容、文章の作り方、クロの話し方、主人公の気持ちの書き方等見ていて全て好みでこんなに作品にのめり込める短編は無いなと思うくらいでした。普段長編の方が好きで短編は全く読まないし推しは研磨ですが何故か惹かれ呼んだら素敵な作者様に出会えました。 (2021年1月18日 7時) (レス) id: e262deccef (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 面白そうです。頑張ってください！ (2021年1月17日 9時) (レス) id: de5cad5b88 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名も無き者
| 作成日時：2021年1月17日 8時
