偏愛。愛欲。【宇野昌磨】

Number:35 ページ36

*.貴方side*.



三月末。



私は一つ大きなケジメをつけようと、ある考えをずっと練っていた。


新年度は新たな心持ちで、何の悩みもなく迎えたい、という気持ちがあったからだ。



そしてその悩みというのが言うまでもなく、昌磨のこと。





ちゃんと告白して、きっちり振られて、心を入れ替えたい。






あれだけ告白してはいけないだとか、私は彼女になる資格がない、だとか言っておきながら何とも自分勝手だと分かっている。





でも、どうしても言いたい。





告白したからって、この関係が変わるわけではないだろうけど。









カタカタと震える手で昌磨へメッセージを送る。







“話したいことがあるから、いつ会える？”







きちんと昌磨に届いたのを確認すると、スマホを投げ出すようにしてベッドへ寝そべった。









｢……あぁ〜……｣




送ってしまった。

もう後戻りはできない。










過去の自分と別れるために、ケジメをつけるために。




─苦しめられた枷から逃げるために。









もう苦しみたくないの。









どこまでも浅はかで、自分勝手で、愚かな私。





そんなアンタに、愛おしさすら湧いてくる。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←Number:34

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す